この話は、現在の話ではなく、十数年前の話だと言うことを前置きしたい。
ご近所のおばあちゃんは、某総合病院にかかりつけだった。そこの病院で胃に腫瘍があると診断された。主治医の先生に、悪性では無いが、早めに患部の摘出手術を行ったほうが良いと言われ覚悟を決めたおばあちゃん。「先生に少しでも最良の手術をしてほしい」と思い、主治医に10万円をこっそり渡した。
ところが数日後、「もう手術の必要は無くなった」と病院から連絡を受け、おばあちゃんは、喜んだ。
しかし、納得がいかないのは、家族。最初からおばあちゃんをインターンのモルモットにする気だったのかと、病院に訴えようとした。でも、おばあちゃんは「10万円で痛い手術をせんでええのなら安いもん」と言って病院を訴えることは無かった。
その後、薬の投与で治療は続け、十数年間も生存し、結局、最期は胃癌が原因では無かったらしい。
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