15日に篠栗の社会教育センターで、平成17年度福岡県社会教育研究大会が開催された。
午前中に佐賀大学上野景三教授が「市町村合併と社会教育委員への期待」と題して講演を行った。
講演の中で興味深いことを言った。三浦展(みうらあつし)氏の本「ファスト風土化する日本」の本を引用し「ジャスコが出店すると犯罪が増える」と言ったのである。
この“ファスト風土”とはファストフードに引っ掛けた三浦氏の造語で「大型ショッピングセンター、コンビニ、ファミレス、パチンコ店などが建ち並ぶ全国均質の風土」を指す。
「全国に張り巡らされた高速道路網が、日本中の地方を均質化し、固有の歴史とコミュニティをもった都市と農村を破壊し、流動化・匿名化させたことが、近年の犯罪の増加をもたらしている!」
インターネットで彼のレポートを見つけたので一部を紹介しよう。
尚、詳細をご覧になりたい方は、三浦氏のサイトを読むか本を購入すると良い。
以下引用である。
ジャスコはこれまで、日本中の高速道路インター付近などに出店してきた。私の出身地、上越でも国道18号線と北陸自動車道のジャンクション付近にある。インターチェンジ付近への出店は、流通コストの削減、品揃えの強化、超広域的な商圏獲得に役立つ。出店戦略としては実に合理的である。よって、ジャスコのあるところには犯罪も増えるという相関も生まれる。もちろんジャスコが悪いわけではない。が、大型ショッピングセンターができれば、地域住民以外の人々が大量に往き来するようになり、匿名性と流動性が高まるから、必然的に犯罪が増加し、検挙率が低下することは避けられないであろう。
2002年8月15日付日経新聞は「イオン、人口減少地で優位」という日本経済新聞社の「新・ビッグストア調査」の結果を発表している。これによると、「イオンは市場の成長力が比較的弱く新規参入も少ない地域を押さえており」「東北のほか、関東内陸、北陸、近畿でそれぞれ店舗面積シェアが最も高い」という。村上市にも桑名市にもあるのは偶然ではないのである。
そして「特に東北では3.3平方メートル当たり売上高上位20店のうち、15店を占めるなど効率面でも優位に立つ。商圏人口全体が減少している地域の店舗の構成比が面積ベースで9.8%と高い。」という。つまり、人口が減少し、ただでさえ市場が縮小している地域に出店し、その地域の商業全体に占める比重を高め、競争優位に立つという戦略なのである。
参考までに、1995年から2001年にかけて犯罪認知件数の増加率が高い都道府県を見ると、多い順に、奈良県2.3倍、兵庫県2.03倍、岐阜県2.014倍、三重県2.006倍、佐賀県1.98倍、秋田県1.94倍、愛知県1.89倍、京都府1.805倍、大阪府1.799倍、香川県1.83倍、富山県1.78倍、茨城県1.75倍、福島県1.73倍などとなっており、たしかに近畿、東北、北陸といったジャスコの強い地域での増加率が高いようである。
コメント