母の闘病日誌(10)

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母の闘病日誌(9)から続く

先週の13日に、母をD病院へ肺腫瘍の検診へ連れて行った。
母は、膀胱癌と肺癌の摘出手術を行ったものの、まだ肺と甲状腺に腫瘍を持っていて、定期的に診察を続けているのだ。
朝の8時45分に呼吸器内科の受付を済ませ、その後CTスキャンを取ってもらいに行った。結果が出るのに1時間程度かかると言うので、簡単な朝食を院内で摂って、10時前に内科の前で待機していた。
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この時間帯になると廊下には溢れんばかりの患者さんが待っている。いつものように待たせられるだろうと期待をせずに待っていたら10時半ごろ名前を呼ばれる。

母は、いつも診察の結果を、まさに寿命が縮まる思いで、毎回聞いていることだろう。
モニターに映ったCTスキャンの画像を見せられながら、
H先生「影が薄くなっていますね」
「悪性の腫瘍ではないようです。このまま消えてくれれば良いですね」

前回の映像と見比べたら、なんと腫瘍の影がほんとに薄くなっているではないか。
これは初めての快挙だ。
今まで、腫瘍が出来た写真は見せられても、影が薄くなった写真を見せられたのは、初めてのことである。

「どこか痛いところはありませんか?」と尋ねられ、母は「頭のこの辺が痛い」と言う。
私には心当たりがあった。正月に家に連れて帰っていたのだが、夜中、トイレに行く時に「ころんで頭を打った」と言っていた。特に変わった風ではなかったのでその時は気に留めなかったが、もしかしてあの時に打った所かな?

「頭の中ですか?表面ですか?」と聞かれ、「あたまのてっぺんです」と応える。

「特に問題は無いようです」
安心した。
実家ではなく、私の家に連れて帰ったので母も不慣れなのだろう、転んでしまった。
おまけに24時間いつもエアコンが聞いている病院生活に慣れたせいか、私の家に来たとたん風邪をひいてしまった。

次回のD病院の診察日を決めてもらい診察は終わった。

年が明けて、少し足がもたついている。
ちょっと気になるので、「毎日病院で歩かないかんよ」と言って、C病院へ送り届けた。
いつものように「お帰りなさい」と迎えてくれた。